孤高のエリート社長は契約花嫁への愛が溢れて止まらない
もしかすると深水さん自体があまりパーソナルな情報を開示せずこの会社の謎の人物として扱われているのかも、と思った。いつも笑顔だけどその裏でなにを考えているのかわかりづらいし、実際に曲者っぽいし。そう考えると腑に落ちる。
社長室まで戻ってきたところで扉が勝手に開いた。現れた穂高社長は、私に気付いても眉一つ動かさない。
「時間だ。深水」
「かしこまりました。ではひかりさん、まいりましょう」
「はい」
差し出されたブリーフケースを受け取り、私は廊下を進んでいく長身のふたりを追いかけた。
…
カバン持ちという仕事が本当にあるのかはわからないけれど、私は本当にカバンを持って歩いているだけだった。実際は車移動だから大して歩いてもいない。
そして、ただ車に乗っているだけだと思っていた移動時間中、後部座席のふたりは休憩する間もなくスケジュールの確認や書類のチェックで忙しそうだった。
午前中からいくつかの取引先を回り、お昼は車内でお弁当を食べ、社長に至ってはろくに食べもしないうちからパソコンを開いてリモート会議に出席している。
助手席から様子をうかがいながら、社長とその秘書の働きっぷりに圧倒されているうちに車が停車した。
「社長、到着しました。十四時から神谷所長です」
社長室まで戻ってきたところで扉が勝手に開いた。現れた穂高社長は、私に気付いても眉一つ動かさない。
「時間だ。深水」
「かしこまりました。ではひかりさん、まいりましょう」
「はい」
差し出されたブリーフケースを受け取り、私は廊下を進んでいく長身のふたりを追いかけた。
…
カバン持ちという仕事が本当にあるのかはわからないけれど、私は本当にカバンを持って歩いているだけだった。実際は車移動だから大して歩いてもいない。
そして、ただ車に乗っているだけだと思っていた移動時間中、後部座席のふたりは休憩する間もなくスケジュールの確認や書類のチェックで忙しそうだった。
午前中からいくつかの取引先を回り、お昼は車内でお弁当を食べ、社長に至ってはろくに食べもしないうちからパソコンを開いてリモート会議に出席している。
助手席から様子をうかがいながら、社長とその秘書の働きっぷりに圧倒されているうちに車が停車した。
「社長、到着しました。十四時から神谷所長です」