ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
 そんなことをしながらだったので、青弓亭に着いた時にはもう、常連の王都警備隊員が(夜勤者を除いて)揃っていた。

「ルディ隊長、今朝は遅かった……って、あれえ?」

 ぶち犬のマイクが、ルディとエリナの姿を見て素っ頓狂な声を出した。

「肩に白い子猫を乗せて、花柄のバッグを手に持つなんてファッショナブルな格好をしてきた隊長にも驚いたし、それなのになんだか妙に似合って見えるのは、『いい男はなにを着ても似合っちゃう』っていうよく言われてるアレなのかとちょっぴり嫉妬しちゃったりなんてことも内心で思ったけど、やっぱりやっぱり一番気になるのは、その子猫ちゃんがエリナってことだよね! うわあ、獣化したんだね! 普段も可愛いけどその姿もすっごく可愛いよ! ヒューヒュー! エリナちゃんサイコー!」

 お調子者のマイクは、そんなことを一気に捲し立てた。
 ルディは内心で『ヒューヒューというのはなんだ、よく口が回る犬だなあ』と感心する。

 彼は王都警備隊員の中でも抜きん出てコミュニケーション能力が高い犬の隊員で、ノリが良すぎて突っ込まれることも多々あるものの、王都警備隊のムードメーカーとして活躍しているのだ。
 そして、彼の優れた話術は仕事に大変役立っていた。人が多く暮らして様々な事件が起こる王都を守るこの仕事には、腕力だけでは解決しないことが多いのである。

 もちろん、俊敏な犬であるマイクは腕もそれなりにたつし、重さはなくてもスピード感溢れる攻撃ができるという強みがある。猟犬のごとく追いかけてくる彼の脚から逃げ出せる悪人は、なかなかいない。そんな彼は、よからぬことを企む者にとっては、かなり手強い相手となるのだ。
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