ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
「はやっ! ええっ、あの泳ぎ方はなんなの? ものすごく速いわね!」

 無駄のないスクロールにスピーディなキックで、エリナの泳ぎは人魚も驚く猛スピードだ。

「猫ってあんな泳ぎ方をしたかしら? 獣人の泳ぎ方って、こんな感じだと思っていたんだけど……」

 ルールーは野生の動物によく見られるような泳法で大きく水をかいて、平泳ぎをしてエリナの方に向かう。

「うむ、森エルフもそんな感じで、頭は水面に出したまま泳ぐぞ」

 ウィリオ王子の泳法も、平泳ぎに近い。

 だが、エリナはしっかりと頭を水中に沈めてお手本のようなクロールをして、ロケットのような勢いで進んでいく。時折りくるっと横を向くと上手に口だけ水面に出して呼吸をし、スピードを落とすことなく泳ぎ続ける。

「今の息継ぎを見た? もしかしてエリナは人魚の血を引いているのかしら?」

 ルールーが言うと、他の三人も「ありえる」と頷いた。水中を滑るようなエリナの泳ぎは、人魚をも唸らせるレベルなのだ。

 実は、日本にいた頃のエリナには、スイミングスクールに通う余裕などなかった。そこで、学校での水泳の時間に真剣に泳ぎを覚えて、おまけに無料で行われた着衣水泳教室などにも毎年積極的に参加していた。
 そう、万一水に落ちるようなことがあっても、誰にも助けてもらえなくても、生き残れるように……。

 そんなエリナのクロールは、無駄なく水をかき、蹴り、水中を見事な勢いで進んでいく。
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