ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
 エリナの気持ちは焼き魚作りの方に引き寄せられていたが、ルールーに「人魚と違って、獣人は濡れたままだと風邪をひくんじゃないかしら?」と言われて、ツリーハウスに戻って着替えをした。

 階段をとことこ降りた子猫は、素早く焚き火の前にしゃがみ込んで、耳をぴくぴくさせながら「お魚、美味しく焼けるにゃよー」と串刺しにされたクリスタルフィッシュに話しかけた。

 ルールーは「気持ちはわかるわ。スカイヴェン国では、滅多にお魚を食べられないものね」と、笑いながらエリナを見守った。

「お魚、こんがり焼けてきたにゃ。いい匂いがするにゃ」

「うむ、クリスタルフィッシュは早く焼ける魚だからな、もう少ししたら食べられるぞ」

「待ちきれないにゃ……」

 香ばしい匂いが鼻に広がり、「美味しそうに焼けてるにゃーん」とエリナがポタポタ落ちる脂に釘づけになっていると、狼隊長のルディが現れた。

「あっ、ルディさん。お疲れさまです」

 振り向くエリナだが、心の半分は魚に持っていかれたままなのでその場を動かない。狼は魚に敗北した。

「エリナもお疲れさま。たくさんの魚をありがとう。こっちでも焼き始めていたようだな、いい匂いだ」

 ルディも焼き魚が大好きなので、鼻をひくひくさせた。

「はい、ウィリオとセライラスタングリーズルさんが魚の調理を全部やってくれました」

 ルディは、頭を下にしてぐるっと円形に並んだ大量のクリスタルフィッシュを見て「さすがだ。かなり焼き慣れているようだな。これは期待ができる」と頷いた。
 味見隊長は、青弓亭を離れても職務に熱心なのだ。

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