フォーチュンクッキー
 オレは思わず口を紡いだ。

 高校見学ってのは受験生にとって大きなものだ。

中でも文化祭はその高校の雰囲気が顕著に表れる。


 でも、オレはどこか戸惑っていた。

そして、なぜそのことを怜が知っているのかも疑問でならなかった。


 そんなオレに気づいたのか、ニヤリと口端を吊り上げた怜。


 ああ、嫌な予感。


「じゃあ、オレが誘って…」

 嬉しそうな怜の声に、オレの脳内で小さな破裂音がした。


「ダメ」


 即答してから気づいた。

隣でいやらしく笑う怜にまんまとハマってしまった自分に。


 そして、どうやらオレは、相当独占欲の強い男だってことも。



 どうにかのらりくらりと交わしていた文化祭の準備。

いつの間にかオレの係が呼び子になっていた。


 詳しいことは怜もサトも教えてくれなかったけど、ヘンな看板を持って当日は校内を歩き回るらしい。


「ヘンで悪かったわね!」

 パコンと完成直後の、オレが持つらしい看板で頭をはたかれる。


「じゃあ、オレは今日も…」

 机にかかっていたかばんを手に持ち、ポケットに忍ばせていた鍵を取り出す。

オレが教室を出ようとすると、ぐいっとうなじ辺りの襟が引っ張られる。


「ちょーっと、またぁ?」


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