真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

「あの、警察の人にも話したことなんですけど」



そう前置きして、岸くんは話し始めた。



「あの日、俺達サッカー部は、六時半から朝練が始まるはずだったんです。一年生は練習の準備とかもあるので、俺は早めに学校に着いたんです」

「それは何時頃だったか、わかりますか?」

「六時です。学校に着いた時、メッセージが届いて、スマホで時刻を見たから」

「メッセージ?」



息吹ちゃんの眉が少し上がる。



「はい。サッカー部で一緒の、二年生の滝口先輩からでした。知っていますか?」

「滝口くんは同じクラスなので、知っています」



そう答えつつ、息吹ちゃんは何かを考えている。



「その滝口先輩が朝練の当番だったんです。……あっ、部室の鍵を顧問の先生から受け取る当番があるんです。で、その当番に先輩が行けなくなったから代わりに鍵を受け取りに行ってほしいっていう内容でした」

「鍵って、職員室にありますよね?」

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