真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

「じゃあ、あなたも時田さんを見ているんですね?」

「はい。草むらにうつ伏せで倒れていて。頭から血が出ていました。水川先生が時田さんに声を何度もかけていたけれど、返事はなくて。陸上部の人達が他の先生を呼びに職員室に行ったり、発見者の人を裏庭から連れ出したり……」



そこまで話した岸くんが急に黙った。



「?」



私と息吹ちゃんは顔を見合わせる。

岸くんの気まずそうな視線の先を見てみると、ランニングから戻って来ていたらしいサッカー部の人達がいた。



「あの、じゃあ、俺はこれで」
と、岸くんは早口で言って、サッカー部の輪の中に入って行った。



「私達も、もう行こうか」



息吹ちゃんが時計広場から離れて、文芸部の部室のある東校舎へ移動した。

息吹ちゃんを追いかけながら、
「どうしたの?第一発見者、探さないの?」
と、尋ねる。



「うーん、今はやめよう。岸くんの態度を見たでしょ?」

「?」

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