真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

「息吹達が犯人を見つけられたらさ、もしかして加瀬さん、楽になるかもじゃん」



息吹ちゃんは「うん」と頷いて、
「ありがとう」
と、笑顔を見せた。



「あとさ、私も気になることがあるんだ」
と、息吹ちゃんが言う。



「滝口くんのこと。学校に何故か早く来ていて、でも姿を見せていない時間があるんだよね」

「えっ」
と、寧々様は言う。



「滝口くんって、あのイケメンの!?」



息吹ちゃんと私は頷く。



「滝口くんは……、疑わなくても大丈夫なんじゃない?だって、イケメンだし」

「えっ」

「イケメンは悪いことなんかしないよ」

「寧々様っ!?」

「イケメンは正義なんだよぅっ!!少女漫画だってそうじゃん、ヒーローはイケメンで、必ず良い人じゃん!!悪いところがあっても、最終的に良くなるじゃあーん!」



「寧々様、ダメだよ。そんな見た目だけで人のことを判断しちゃ」

「息吹の馬鹿タレ!あんなイケメンはいないよ!?国宝級だよ!?国の宝を疑うなんて、そんなの罪だよぅっ」

「……あっ」
と、私は挙手した。

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