【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
クラレンスがオリバーを睨みつけている。
王妃は「おやめなさいな」と言うと兄弟喧嘩はピタリと止まる。
二人は再び豪華な馬車に乗って窓から手を振っている。
「また会おうね、カトリーナ」
「楽しみにしているわ」
そう言って、嵐のように去って行った。
クラレンスは二人を見送ったあとに、邸に入ると疲れた様子で椅子に腰掛ける。
カトリーナは側にあったワゴンの上に置いてあるティーセットを手に取り、温かな紅茶を淹れてクラレンスに差し出した。
「ありがとう」
「いえ……」
「母上には何も言われなかったか?」
「はい。とてもよくしてくださいました」
「前々からカトリーナに会いたい会いたいとしつこいくらいに手紙がきていた。ニナにも口止めしなくてはな」
どうやらカトリーナが知らない間に、やりとりがあったようだ。
「仕方ない。また押しかけられては困る。天気も安定したきたことだ。買い物がてら来月には王都に向かおう」
「これでたくさんカトリーナ様の新しいお洋服を書い揃えられますね!」
後ろから話を聞いていたのか、ニナが嬉しいそうに手を合わせている。
しかしカトリーナは静かに首を横に振った。
「たくさん服はいただいてます。十分です」