【アニメ化&書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
数時間後、ナルティスナ領を抜けたのか、カトリーナは再び担がれるようにしてサシャバル伯爵家の馬車に投げ込まれる。

再び後ろから聞こえる金の音と「数週間、準備した甲斐があったぜ」という男達の声。
どうやらサシャバル伯爵夫人は大量の金を払ってカトリーナを誘拐する隙を狙っていたようだ。

カトリーナが考え込んでくると、後ろからシャルルとサシャバル伯爵夫人が馬車に乗り込んでくる。


「あー臭いし汚いし最悪。早くお風呂に入りたいわ」


シャルルがドレスについた土埃を払っている。
サシャバル伯爵夫人もため息を吐いて髪型を整えた後に、カトリーナの口枷を乱暴に取った。
椅子ではなく、足元にカトリーナを引き摺り下ろすと見下すようにこちらを見ている。


「本当……不愉快だわ。ナルティスナ領は何もないのね。貧乏臭い邸も使用人達もありえない。全てが最悪ね」

「……っ」


カトリーナはその言葉に腹が立ち、サシャバル伯爵夫人を思いきり睨みつけた。
フッと鼻で笑った後にサシャバル伯爵夫人に扇子で打たれる。
髪が揺れて顔面にかかってもそれを振り払うことすらできない。
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