【アニメ化&書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
「もっと最悪なのはお前だ……カトリーナ」

「…………!」

「あの女にそっくりね。奴隷の分際でいつもそうやってわたくしを睨みつけていた…………気に入らないわ」


パチンと音を立ててカトリーナの反対側の頬を叩く。
額には青筋が浮いて、ギリギリと歯を食いしばる音が聞こえた。


「あの人譲りの美しい顔もっ」

「……痛っ!」

「その目も……ッ!」

「いっ……」

「──全部ぜんぶっ、目障りなのよっ!」


サシャバル伯爵夫人はカトリーナの頬を叩き続けた。
それはあのシャルルが「お、お母様……落ち着いて」というほどだった。
口内が切れたのか、じんわりと血の味が広がった。


「どうしてかしら……こんな風に何も持っていない子が選ばれるの?」

「……?」

「わたくしより劣っているくせにッ!どうしてわたくしから全て奪うのかしら?わたくしが王妃になれるはずだったのにっ!芋臭い伯爵家の令嬢なんか選ぶなんて……っ!」


肩を大きく揺らして、鼻息荒く話している内容は明らかにシャルルやカトリーナの話ではない。
どうやらサシャバル伯爵夫人は過去のことを思い返しているようだ。
シャルルはカトリーナの顔を見て「あら、ブサイク。舞踏会にはもう出られないわね?残念~」と言って嘲笑っている。
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