【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
 カトリーナは言い聞かせるようにしていたが、どんどんと体の感覚がなくなっていく。
ニナが何かを叫んでいるのが遠くに聞こえたが、唇を動かすことすらできない。
カトリーナがズルリと倒れ込んだ瞬間に誰かが体を支えてくれた。


「おい……!しっかりしろっ」

「ぁ…………」

「大丈夫か……?」


どうやらクラレンスがカトリーナを支えてくれたようだ。
カトリーナが倒れ込んだのを支えた反動で真っ黒なローブがハラリと落ちる。
空の色をした髪と、宝石のようなロイヤルブルーの瞳と目が見えたような気がしたが瞼は重たくなり、下がっていく。
額にひんやりとした冷たさを感じていた。

(綺麗……)

そう思った瞬間にカトリーナの視界が真っ暗に染まった。



* * *




目を開けるとカトリーナの前には見慣れた景色が広がっていた。

(あれ……私、何をしていたんだっけ。あれは夢……?なんだか不思議な夢を見ていた気がする)

白い絨毯、空から振る粒、真っ暗なローブ、宝石の青。
カトリーナは本のページを捲っていたが、ふと自分の手が小さくなっていることに気づく。
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