交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
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まさか人生で一度でも訪れることになるとは思ってもみなかった、目が眩むほどのラグジュアリーホテル。
前面の大きな窓の向こうはオーシャンビューになっていて、青空の下どこまでも続く地平線と降り注ぐ陽光が神聖な空間を演出している。
その中央、参列客の注目の中、私は今最愛の旦那様と向かい合い『誓のキス』を控えていた。
旦那様である一織さんがベールアップをして、そっと肩を抱く。
いつもよりもだいぶ控えめで静かなキスは、大きな拍手に包まれた。
結婚一年目を迎え、照りつける太陽が夏の訪れを感じさせる今日この頃、私たちは結婚式を執り行った。
挙式が恙無く進むと、次は大規模な立食式の披露宴。
私は一織さんの会社の関係者の方々への挨拶回りに勤しんだ。
「大丈夫か、小梅。一旦休憩するか?」
「ううん。大丈夫だよ。 一織さんこそ、そんなに飲んで平気?」
「さすがにペース早すぎた」
会う人会う人にお酒を注がれまくっていた一織さんは、お腹いっぱい、というように眉を顰める。