交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
「とにかく、末永くお幸せにな! あーあ。この無愛想でクールな親友に先を越されちゃったし、俺もそろそろ本気で寂しくなってくるわ〜」

椎名さんは嘆いて、パーティーに戻っていく。

「椎名さん、この間会った時に『彼女できた』って言ってた気がするけど…」

「ああ、振られたらしいぞ。『私より家具が大事なの?』とかなんとかって」

「ええ! うそ、あんなに喜んでたのに…」

椎名さんが経営するインテリアショップは最近海外へと規模を広げているそう。それで忙しい毎日を送っているけれど充実していると話していたのに、そのせいで失恋してしまうなんて、なんだか切ない。

椎名さんの背を見て、幸せになってほしいと密かに念を送っていると、隣の一織さんが顔を耳に近づけて囁いた。

「今、俺以外の男のことを考えるな」

「もー! 椎名さんの幸せを願ってたんです〜」

この旦那様は私のことが好きすぎるらしい。独占欲を隠しもせずぶつけてくるのだ。
不服そうな一織さんにはあとでケーキを持ってきてあげよう。
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