交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
ディナーを楽しんだ後、食後の紅茶を淹れるためにポットを準備する。
数種類用意されているこの茶葉ひとつとっても、世界各地の有名なものを取り寄せているそうだ。

カップを取り出し、私の隣にぴったりとくっつく一織さんを見上げる。

「そんなに見ないで。ていうか近い〜」

仕方ないなぁとくすくす笑う。すると軽いリップ音を立ててじゃれ合うみたいなキスが降ってきた。
一織さんはおもむろにポケットに手を突っ込みスマホを手に取ると、ぱしゃりとシャッター音がする。

「あ、ちょっと」

「ごめん、つい」

全然悪びれずに、なんなら楽しそうに笑って言うからこっちまで笑えてくる。
ちなみに、彼は私のウェディングドレスを選ぶにあたって、試着した回数分の写真を収めていた。
今日も式の前に散々撮られたし、恥ずかしいやら面白いやらでモデルにでもなった気分だった。

お湯が湧くのを待つ間、それなら、と私も彼の端正な顔を画面に写す。
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