交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
シャッターを押して撮れた写真を眺め、ふふ、と笑みがこぼれる。

「一年前、私の実家に結婚の挨拶に行った時は、お互い隠し撮りだったのになぁ」

「ああ、これな」

一織さんはカメラロールを遡ると、ほろ酔いの私の写真を見つける。

「本当に、小梅はどんな瞬間でも最高に可愛いのがよく分かる」

「もう、恥ずかしいからそんなに見ないでってば〜!」

「椎名にタレコミされたんだったな。 まあおかげで、小梅との距離が縮まったし感謝してやらなくもない」

素直じゃない彼が面白くて、ふふっと笑う。

「一織さん、一年前も今日も顔が赤いんだから」

「酔いが回るのが早いんだよ」

格好がつかないと思っているのか、彼は不服そうにする。

一織さんは普段からあまりお酒を飲まないけれど、会社関係のパーティーや私の父と食事をする時、今日みたいな特別な日にはお酒を飲む。これがまた信じられないくらい強くて、いつもかなり飲んでいる…というか飲まされても平然としているからすごい。ほんのり顔が赤くなる程度なので、酒豪だと思われがちなのだそう。

「小梅は、何度キスしても慣れないよな。いつも頬が赤くなる」

「だ、だって、一織さんが不意打ちでするから…」

「なら、小梅からして。 結婚記念日に夫婦の誓のキスってことで」

「それは昼間チャペルで……うぅ、その目、やめて…」

逃がすまいという彼の策略か、子犬みたいなつぶらな瞳にじっと見つめられて鼓動が早まる。
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