交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
祖父が健康を取り戻した頃、当時の社長、祖父の父親が急逝。祖父が跡を継ぐことになった。
その時祖父が亡くなっていたら、深山グループは混乱に陥り経営の危機にさえ見舞われていたかもしれない。

祖父の命と共に、深山グループの未来も救ってくれたと言っても過言ではなく、桜子さんは俺たちにとって恩人だ。

祖父は社長になってから会社と社員を自分の子どものように大事にした。
そして今は、そんな祖父が守ってきた深山グループを俺が任されている。

祖父は俺にその話を何度もして、次は自分が助ける番だけど、生きている間に機会がなければ俺に託す、と言って祖母の元へ旅立っていった。

しかし、その話を知るのは祖父と俺と、桜子さんだけだ。そして、桜子さんは祖父よりも1年ほど前に亡くなっていた。
忘れてはいけない大切な人たちとの関わりを、俺は祖父の望みを、絶対に叶えたいと思っている。
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