愛されていたとは知りませんでした。孤独なシンデレラは婚約破棄したはずの御曹司に秘密のベビーごと溺愛される
「あっ」

びっくりして声を上げた隙に、舌をねじりこむ。

「俺を選ぶだろ?」

「ん、んんっ」

「好きだよ。ずっとこうしたいと思ってた……。君を意識しだしてからどれだけ我慢していたと思ってる? 今すぐ抱かないと狂いそうだよ」

何度も角度を変えて、柔らかい唇を堪能する。
花蓮はびっくりしつつも、拒むことなく受け入れた。恐る恐る伸ばされた手は震えながらも背中に回る。その熱を背中に感じ、余計に興奮した。

「花蓮……!」

顔から指先まで丹念にキスを降らせながら、服を脱がせる。
互いの荒い呼吸が合わさって眩暈がした。

「可愛い。大丈夫。怖くないよ」

「あ、あの、わたし本当に初めてで……」

「うん」

「あの、どうしたらいいかもわからなくて……がっかりさせたらごめんなさい」

涙目の花蓮は扇情的で、とても綺麗だ。
絹のような肌に、先ほど昴が付けた印だけが赤く浮き立つ。

がっかりなんてとんでもない。

「ベッドに行こうか」

半裸の花蓮を抱き上げる。

「きゃ……は、はい……」

胸元が丸出しになった花蓮は慌てて昴に抱きついて隠した。

「人生初の情交がソファというのは避けたいからね」

昼寝をする歩那が起きませんようにと願いながら、寝室へと急ぐ。

「昴さんとなら、どこでもうれしいですよ……?」

恥ずかしがりながらも花蓮は昴を喜ばせた。

「ありがとう。でも、俺も初めては大切にしたいから」

花蓮をベッドに下ろすと、汗でまとわりついたシャツをむしり取った。

「初めて?」

「俺も、花蓮と一緒だよ」

不思議そうに首を傾ける花蓮に暴露する。

「笑わないでくれよ。俺も経験がないんだ。だって、花蓮しか欲しくなかったからね。他の女に興味なんてなかった。だから下手でも許してよ? それと、これまで我慢していたぶん、ちょっとやそっとじゃやめてあげれないから覚悟して」

目を見開いた花蓮は涙を溢れさせ頷いた。

「笑うなんて……うれしいです。わたしも昴さんしか知りたくないです。昴さん大好き。本当はずっと触れたいって思ってました。たくさん愛してください」

(ああ、もう――)

可愛すぎて、好きすぎてどうにかなりそうだ。
優しくしなくてはと思うのに、同時にめちゃくちゃに乱してやりたくなって、たまらなかった。
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