【完結】鍵をかけた君との恋
 待ち合わせは地元の駅。凛花は私の姿が見えると手招いた。

「乃亜、おそーい!」
「ごめんっ」

 陸と凛花は手を繋ぎ、森君と私の前を行く。私の顔を覗き込んだ森君は思案顔。

「乃亜大丈夫?あのふたりと一緒で」
「大丈夫だよ。ありがとう、森君」

 なんかだかもう、どうだってよかった。


「次は、あれ乗ろー!」

 凛花は絶えず、楽しそうだった。ずっと陸の隣をキープして、森君と私が並ぶよう仕向けているのがあからさまに伝わった。

「あ、そういえばお母さんに電話しなきゃ。着いたら連絡してって言われてたんだ」
「おいおい、もう昼になるぞ」

 凛花の言葉に返す陸。私の母も生きていれば、こんな風に娘を想って心配してくれていたのだろうか。奈緒さんは時々声はかけてくれていたけれど、約束ごとや束縛はしない。何故なら、血の繋がりがない赤の他人だから。


「乃亜?」

 地面だった視界が陸に切り替わる。

「お前、今日変じゃね?朝から思ってたけど、何かあった?」

 陸の特技は場所を選ばない。川辺だろうが学校だろうが遊園地だろうが、心を読み取る。

「なんで?変じゃないよ?」
「そうか?もし体調悪かったら言えよ」

 今朝、奈緒さんが出て行ったんだって、陸にならば言えるのだろうか。
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