【完結】鍵をかけた君との恋
今日は長い。太陽はまだあんなに天の高いところ。
先ほどの飲食店へ戻ると、凛花がひとりで手鏡を見ていた。
「お帰りっ。陸達は今トイレに行ってるよ。乃亜、本当に何も食べなくていいの?」
「うん大丈夫。実は朝ご飯、食べ過ぎちゃったんだよね」
「あははっ。それで遅刻するなしー」
彼女はテーブルに手鏡を置いた。
「乃亜、森君どうよ?いい加減、付き合えっちゃえば?」
彼女は私と森君をくっつけたがっている。それは春からひしひしと感じていた。
「森君と乃亜が付き合えばさ、こうやってダブルデートできるじゃんっ。楽しいと思わない?」
「凛花、私と森君はそういうのじゃないよ」
「そお?お似合いだと思うんだけどなあ。あ、そうだ。さっき陸がね、残したおかずくれたんだ。間接キスじゃんってツッコんだら、ちょっと耳赤くなってた。可愛いくない?」
いつの間にやら食い縛っていた奥歯には、更にきりりと力が入る。
「乃亜も森君の耳、赤くしてみてよっ」
これは彼女だけに対する感情ではなかったと思うけれど、口走るとは、おそらくこういうことを言うのだろう。
「あのさあ凛花。いい加減にしてほしいんだけど」
先ほどの飲食店へ戻ると、凛花がひとりで手鏡を見ていた。
「お帰りっ。陸達は今トイレに行ってるよ。乃亜、本当に何も食べなくていいの?」
「うん大丈夫。実は朝ご飯、食べ過ぎちゃったんだよね」
「あははっ。それで遅刻するなしー」
彼女はテーブルに手鏡を置いた。
「乃亜、森君どうよ?いい加減、付き合えっちゃえば?」
彼女は私と森君をくっつけたがっている。それは春からひしひしと感じていた。
「森君と乃亜が付き合えばさ、こうやってダブルデートできるじゃんっ。楽しいと思わない?」
「凛花、私と森君はそういうのじゃないよ」
「そお?お似合いだと思うんだけどなあ。あ、そうだ。さっき陸がね、残したおかずくれたんだ。間接キスじゃんってツッコんだら、ちょっと耳赤くなってた。可愛いくない?」
いつの間にやら食い縛っていた奥歯には、更にきりりと力が入る。
「乃亜も森君の耳、赤くしてみてよっ」
これは彼女だけに対する感情ではなかったと思うけれど、口走るとは、おそらくこういうことを言うのだろう。
「あのさあ凛花。いい加減にしてほしいんだけど」