炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
「リ……陛下!?」
目線が一気に高くなった。彼の両腕が自分の足を支えている。向かい合い、密着した体勢で彼を見下ろす。
――た、縦抱っこ……! なんでいきなり?
リアムはにこりとほほえんだ。
「私の凍える心を温めることはできる」
顔が、かっと熱くなった。
――さっきからなに? 近いし、触ってくるし、抱っこまで!
ミーシャがパニックになっていると、彼は「身体を反るな、力を抜け。抱きにくい」と、ため息を混ぜながら言った。
「だって、この体勢! 私、子どもじゃないです。下ろしてください!」
「俺の妃は美しい魔女だと、見せつけているだけだ」
心臓が、ばくばくと高鳴っていた。
炎を司る魔女なのに、燃えるように熱い身体を制御できない。碧い瞳を細める彼から顔をそらすのがせいいっぱいだ。
「私は、見せつけて欲しいわけじゃありません!」
「ははっ。すごい、必死な顔」
向けられた眼差しはミーシャを慕うようなやさしいものだった。まるで、師と弟子だったころに戻ったみたいだ。
「陛下、もう十分です。目立ちすぎです!」
「気にするな」
「無理です。気になります。お願い、早く離して」
リアムは涼しい顔のまま、列席者に向けて声を張った。
「みんなもう理解したな。炎の鳥も、炎の魔女も怖くないと」
その場にいた人たちは呆気にとられている人ばかりだった。さっきまでの硬い表情がゆるんでいる。納得したようすの者は、次々と臣下の礼をするため胸に手をあて頭を下げていく。
ノアは一人、満面の笑みで手をあげ、雪と炎の鳥を見ていた。
みんなの反応に満足したのか、リアムはふっと笑うとまた声を張った。
「私の麗しい寵姫は今日、この地に参り降りたばかりで疲れている。我々はさがらせてもらうが、あとは引き続き心ゆくまで楽しんでいってくれ」
目線が一気に高くなった。彼の両腕が自分の足を支えている。向かい合い、密着した体勢で彼を見下ろす。
――た、縦抱っこ……! なんでいきなり?
リアムはにこりとほほえんだ。
「私の凍える心を温めることはできる」
顔が、かっと熱くなった。
――さっきからなに? 近いし、触ってくるし、抱っこまで!
ミーシャがパニックになっていると、彼は「身体を反るな、力を抜け。抱きにくい」と、ため息を混ぜながら言った。
「だって、この体勢! 私、子どもじゃないです。下ろしてください!」
「俺の妃は美しい魔女だと、見せつけているだけだ」
心臓が、ばくばくと高鳴っていた。
炎を司る魔女なのに、燃えるように熱い身体を制御できない。碧い瞳を細める彼から顔をそらすのがせいいっぱいだ。
「私は、見せつけて欲しいわけじゃありません!」
「ははっ。すごい、必死な顔」
向けられた眼差しはミーシャを慕うようなやさしいものだった。まるで、師と弟子だったころに戻ったみたいだ。
「陛下、もう十分です。目立ちすぎです!」
「気にするな」
「無理です。気になります。お願い、早く離して」
リアムは涼しい顔のまま、列席者に向けて声を張った。
「みんなもう理解したな。炎の鳥も、炎の魔女も怖くないと」
その場にいた人たちは呆気にとられている人ばかりだった。さっきまでの硬い表情がゆるんでいる。納得したようすの者は、次々と臣下の礼をするため胸に手をあて頭を下げていく。
ノアは一人、満面の笑みで手をあげ、雪と炎の鳥を見ていた。
みんなの反応に満足したのか、リアムはふっと笑うとまた声を張った。
「私の麗しい寵姫は今日、この地に参り降りたばかりで疲れている。我々はさがらせてもらうが、あとは引き続き心ゆくまで楽しんでいってくれ」