元皇女なのはヒミツです!

27 小さなお姫様②

「聞こえませんでしたか? 醜い、と申し上げたのです、公爵令嬢様」

「醜いですって……?」

 公爵令嬢はさっきまで真っ赤にさせていた顔を青白くしておもむろに私を見た。小さな身体はぷるぷると震えて、可愛らしい丸い瞳は血走って憎悪を露わにさせている。

「そうです。あなたは、あまりにも醜い」私は彼女の怒りなど意に介さずに続ける。「なにが気に入らないのか知りませんが、自身の身分を笠に着て弱い立場の者に対してやりたい放題。しかも暴力まで。これが醜いと言わずになんと言いましょう」
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