元皇女なのはヒミツです!
「アミィ、凄い音がしているけど一体どうしたんだい?」
フレデリック様の爽やかな声で私たちははっと我に返った。彼は驚いた顔をして私と公爵令嬢を交互に見つめていた。
部屋は嵐のあとのように荒れ果てて、私たちも突風に吹かれたみたいに髪が乱れて衣服もボロボロだった。しばらく水を打ったように静まり返った。
「フレディお兄様あぁぁぁぁぁっ!!」
ややあって、公爵令嬢が泣きながらフレデリック様に抱き付いた。
「アミィ、どうしたんだよ」と、彼は優しく彼女の頭を撫でた。
「あの女があぁぁぁぁぁっ!!」と、彼女は私を指差す。
「ええっと……?」
フレデリック様は困惑した様子で私を見た。
「本日より私が公爵令嬢様の魔法の家庭教師を務めているのです」
「なるほど! 前に叔父上からアミィの新しい家庭教師が決まりそうだって聞いていたけどリナ嬢だったんだね! それにしても随分過激な指導だねぇ」と、フレデリック様はくつくつと笑った。
私はたちまち顔が真っ赤になる。こ、こんなボロボロのみっともない姿を彼に見られて恥ずかしいわ!