元皇女なのはヒミツです!

「「セルゲイ!」」

 振り返ると、芸術品のような美形の公爵令息がすぐ側まで来ていた。アメリア様はウサギのように俊敏な動きで彼にピュッと抱きつく。

「来ていたのなら声をかけてくれればいいのに、水臭いな。人混みを掻き分けて追いかけて来たんだぞ」

「だってセルゲイはずっと令嬢たちに囲まれていたじゃない。あんなの誰だって輪の中に入れないわよ」

 セルゲイは苦笑いをして、

「ああいうときは助けてくれよ……」

「平民の私には土台無理な話ね」

「セルゲイ」

 そのとき、アメリア様が彼の上着をクイクイっと引っ張った。

「おっ、悪い悪い。さぁ、行こうか」

「うん。あっちにお菓子を食べに行く」

 私とセルゲイは顔を見合わせて、

「よし、こっちのテーブルの子たちに話しかけに行こう」

「そうね。さ、アメリア様、行きましょう」
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