元皇女なのはヒミツです!
でもそうなると、次の問題は……セルゲイだ。
彼の気持ちは本気だった。私と一緒になるために平民になるとまで言ってくれた。その言葉は純粋に嬉しかったし、孤独な私の胸を打った。
でも、自分のせいで公爵令息の人生をめちゃくちゃにするわけにはいかない。彼が平民になったらストロガノフ公爵や夫人たち家族が絶対に悲しむ。そんな不幸なこと、私は望んでいない。
「困った……」と、私は呟いた。
「なにが困ったの?」
「ひゃっ!」
ドキリとして後ろを振り返ると、オリヴィアがニコニコしながら手を振っていた。
私は胸を押さえて、
「なんだ、オリヴィアかぁ~。びっくりしたぁ~!」
彼女はくすくりと笑って、
「驚かせてごめんなさい。今日はやっとリナと話せると思って嬉しくて」
「あっ」
私はきょとんとして彼女を見た。
そうだったわ。今日は朝からずっとグレースがべったり張り付いていて、オリヴィアと会話をする機会がなかったのだ。グレースは子犬みたいに懐いてきて可愛いんだけど、行動がいちいち大袈裟なのよね……。