元皇女なのはヒミツです!
「そうだ、ストロガノフ家の三男と……もう一人の留学生は数十年振りに特待生として入学してきた平民の少女だ。さすが旧帝国は人材が豊富だな、あのような高い能力を持った平民がいるとは。驚いたぞ」
「へ、平民が、ですか……」
アレクセイは王太子の射抜くような視線に縮こまった。
「おや、知らなかったのか。あれほど優秀な人物が埋もれていたとは連邦も勿体ないことをしたな。彼女には是非とも卒業後もリーズに留まって、その才を存分に発揮してもらいたいものだ」
「そ、それは……」アレクセイはごくりと唾を飲み込んで「彼女の意思を……確認したほうが宜しいのではないでしょうか……?」
「では、副大統領はその平民がリーズに留まりたいと希望すれば許可をする……と?」
「…………」
アレクセイは口ごもった。
緊張のあまり馬鹿なことを口走ってしまった。リナには卒業後は速やかに連邦に戻って、一平民としての穏やかな人生を全うして欲しい。リーズに残ったら、王太子との婚約を引きずった彼女が辛い思いをするだけだ。それに、これからも彼女がどんな危険な目に遭うか分からないので、政府の目の届くところに置いておきたい。