元皇女なのはヒミツです!


 私は無事に特待生として魔法学園に入学することが叶った。

 合格発表はセルゲイと一緒に見に行った。
 合格者一覧には成績も記載される。私は筆記試験1位、実技試験1位で見事に特待生の座を勝ち取った。
 ちなみにセルゲイは筆記試験3位、実技試験2位で、こちらも好成績だ。ストロガノフ家の者は代々皆優秀だから当然と言えば当然かしら。

 セルゲイはあの日以来、私が働いている庶民向けの定食屋さんに毎日顔を出してくれて、今ではすっかり打ち解けた。彼は公爵令息と言えども三男なので家を継ぐことができないので、いずれは独立しないといけなくなる。だから、どうせなら異国の地で自分の実力を試したいとリーズ王国への留学を決意したそうだ。

 学園では希望者は寄宿舎で生活ができる。地方の貴族で王都に屋敷を構えない者のためだ。
 私もセルゲイも当然ここに宿泊することにした。今日から入寮することになるのだが、初めての共同生活はどのようになるか楽しみだ。


 私とセルゲイは与えられた自室に荷物を置いてから教室へと向かった。
 彼とは運良く同じクラスになった。正直言うと平民の私が貴族の中に一人放り込まれるのはちょっと不安だったから安堵した。




 私たちが教室に足を踏み入れたとき、

「どきなさいよ! この平民上がりが!」

 不穏な空気が漂った。
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