元皇女なのはヒミツです!


「あっはははっ!!」

 絶句する私を見て侯爵令嬢は哄笑した。

「残念ねぇ、皇女様。これでもうあなたが高貴な人物だって証明できるものがなくなっちゃったぁ~」

「で、でも……記憶は……記憶は残るわ! 私のことはセルゲイや連邦の人たちが知っている!」

「あぁ、そんなこと問題ないわ」侯爵令嬢はニヤリと口の片端を上げた。「わたくしの魔法で彼らの記憶を消せばいいだけよ。あなたのことを覚えている全員のね」

 私は目を剥いて、息を呑んだ。
 記憶を消す……? たしか、その魔法って――、

「闇魔法、なの……?」

「あら、今頃気付いたの? そうよ、わたくしの持つ属性は闇なの」

「でも狩り大会のときは炎属性の魔法を――」

「あれは闇魔法の力を圧縮して爆発を起こしていただけよ」

「そんなことって……」

 自然と全身が震えだした。底冷えするような空気が私を包み込む。
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