元皇女なのはヒミツです!
「うわぁっ……!」
対岸は既にたくさんの明かりが灯っていた。それはまるで夜空の星々のように煌めいていて、幻想的な光景だった。
「綺麗だね」
「えぇ……とても」
フレデリック様はやっと私を降ろしてくれた。そしてそっと私の手を握って、薄紅色のハート型の蝋燭に一緒に火を灯した。
ぼんやりと赤い光が広がって、二人を淡く照らした。
「…………」
「…………」
私たちはランタン越しに見つめ合う。薄明かりに照らされたフレデリック様はとても優しく微笑んでいた。
「リーナ、大好きだ」
「私も大好きです、フレデリック様」
そして私たちは、どちらからともなくキスをした。