元皇女なのはヒミツです!
私はおもむろに首を横に振って、
「セルゲイ、わざわざ私のために素敵なドレスを用意してくれてありがとう。でも、これはいただけないわ」
「なんでだよ。今からドレスを準備するのは大変だろう?」
「平民の私にエレーナのドレスは分不相応だからよ。エレーナの格が落ちるわ。それに平民向けのドレスなんて王都に出ればすぐに見つかるわよ」
「格とかそんなことは関係ない。こんなときくらいしかドレスを着る機会はないだろう? 俺は君には綺麗なドレスを着てパーティーを楽しんで欲しいんだ」
「セルゲイとオリヴィアがいればパーティーは楽しいわ」
「だが……」
「気遣ってくれて本当にありがとう。でも、折角だけど――」
「王太子殿下も参加するんだぞ」
「…………」
彼のその言葉に私は押し黙った。
そうよね、生徒全員が参加するのだから当然フレデリック様も参加するはずよね。
もしかしたら彼を近くで拝見できる機会があるかもしれない。そのときに下手な流行遅れの古着のドレスなんて嫌かも……。やっぱりお慕いする方の前では目一杯のお洒落をしたい、かも……。