元皇女なのはヒミツです!
ファーストダンスが終了したら、次は新入生の番だ。私たちはホールの中央へと向かう。
「リナ……どうしよう、緊張しちゃう……」と、オリヴィアが不安げに私を見た。
「大丈夫よ。あんなに特訓したでしょう? 自信持って!」
「そうだよ、君ならできる。頭の中でリズムを取るんだ。あとはパートナーに任せればいいさ。頑張ってくれ」
「二人ともありがとう。そうよね、皆であんなに練習したんだもの。……うん、やってみるわ」
静寂が訪れる。
これからダンスが始まる合図だ。私とセルゲイは互いに一礼をした。
ふと、グレースたちの姿が目に入った。パートナーのいない彼女たちは壁際でニタニタと笑いながらこちらを見ていた。
音楽が始まる。
セルゲイに導かれて最初の一歩を踏み出した。
ステップ、ステップ、ターン。
アルフィー先生に教わったリーズ式のダンスを私たちはすいすいと泳ぐようになぞっていった。
ふと隣を見ると、オリヴィアもパートナーの子爵令息と笑顔で踊っていた。会話をする余裕もあるみたいで、私は一安心した。
これでグレースたちを見返してやることができそうね。なによりオリヴィアが楽しそうで良かったわ。