報われたい独占欲は、狂気のソレ


「…………」


 あのベランダ下で私達を見ていたのはやっぱり長谷川奏人だった。私が見たのは間違いじゃなかった。


 なんで……?


 いくら好きだからといっても、なんでそんなに平気な顔をしていられるの? 私だったら好きで好きで仕方ない人がいたら、誰ともそういうことをしないでほしいし、その光景を目の当たりになんてしたくない。


 長谷川奏人の言う『好き』が信じられないでいる私に、

「……あんな抱かれ方いつもされてんの?」

 ――と、不思議そうに、けれど、どことなく興味津々に問いかけてきた。


「どういう意味ですか?」

「全然気持ちよさそうじゃなかったからさ。カレシも凪が気持ちよさそうにしてないって何で気づかないかな。オレだったらすぐ気づくのに」

「……は?」

「ねぇ、凪。オレに抱かれてみない? オレで気持ちよくなったらカレシと別れてオレと付き合ってよ」


 ――いったいこの人はなにを言ってるの……

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