報われたい独占欲は、狂気のソレ
「ありがとうございます。すみません、覚えてなくて……」
「人が多かったし覚えてなくてあたりまえだよ。その場で少し話したときに凪は自分の名前教えてくれてさ、就職先がここの会社っていうことも教えてくれたんだよ。そのときに思ったんだよね、ああこれって運命だって」
懐かしそうに微笑む長谷川さん。まるでそう信じて疑わないような目をしていた。
「……じゃあ、私がここで働けるように仕向けたのは長谷川さんですか?」
「まさか。オレも知らないうちに決まってたよ。知ってたらあんなふうに凪に近づかないだろ」
「……それは、そうですね。スミマセン」
あれ、なんで長谷川さんの恋愛話になっているんだろう。いつの間にか話題がすり替わってしまっている。でももういい。この人が私をまだ諦めていないと知ってしまった今、もうこの人に相談することはない。
このままうやむやにして話を終わらせようと思っていると、
「凪はさ、今のカレシのどこがそんなにいいの?」
話の軸が悟の話題に戻ってしまった。