その甘さに、くらくら。
口から漏れた血が、顎や首を伝って、俺の肌や服を汚した。五月女の手も血塗れだろう。その手を引き剥がそうとするが、俺の抵抗など歯牙にもかけず、彼は血を注ぎ続けた。目と鼻の先で反応を窺われ、拷問でもされているかのようだった。
ああ、なんだこれ。息が苦しい。俺は何をされているのか。息ができない。不味い。不味い。ゴムの味がする。口の中に大量のゴムを詰められているみたいだ。
あまりの苦痛に目から涙が零れ落ちそうになった時、捕えられていた体が不意に軽くなった。同時に膝の力が抜け、俺はそのまま激しく嘔吐く。口内に溜まっていた血液が床を汚した。はあ、はあ、と息を乱し、胸を抑え、堪らず袖で口元を拭うと、涎の混じったような血液が付着した。口の周りは血塗れだろう。本能を剥き出しにしたヴァンパイアが、人間を血肉ごと貪り食ったみたいに。
ぺちゃん、と何かが床に沈むような音がして。見ると、空になったパックが俺の前に転がっていた。血を飲み干した後の汚れが、内側にべったりとついている。
顔を上げる。俺を見下ろす五月女が立っている。獲物を虎視眈々と狙っているかのように瞳孔が開いている。飲み込まれそうで、思わず視線を下げる。力の抜けている五月女の手が目に入る。血液の中に手を突っ込んだみたいに、その手が真っ赤に染まっている。指の先から滴る血が、小さな玉となって、ポタ、ポタ、と床に斑点を作っている。
口元を血塗れにした俺と、手を血塗れにした五月女。体の一部を血に染め、付近をその血で汚しているこの場所は、まるで殺人未遂の現場のようだった。実際に俺は、大量の血を無理やり飲まされ、息ができなくなった。未遂だった。殺されかけた。五月女に。殺され、かけた。
ああ、なんだこれ。息が苦しい。俺は何をされているのか。息ができない。不味い。不味い。ゴムの味がする。口の中に大量のゴムを詰められているみたいだ。
あまりの苦痛に目から涙が零れ落ちそうになった時、捕えられていた体が不意に軽くなった。同時に膝の力が抜け、俺はそのまま激しく嘔吐く。口内に溜まっていた血液が床を汚した。はあ、はあ、と息を乱し、胸を抑え、堪らず袖で口元を拭うと、涎の混じったような血液が付着した。口の周りは血塗れだろう。本能を剥き出しにしたヴァンパイアが、人間を血肉ごと貪り食ったみたいに。
ぺちゃん、と何かが床に沈むような音がして。見ると、空になったパックが俺の前に転がっていた。血を飲み干した後の汚れが、内側にべったりとついている。
顔を上げる。俺を見下ろす五月女が立っている。獲物を虎視眈々と狙っているかのように瞳孔が開いている。飲み込まれそうで、思わず視線を下げる。力の抜けている五月女の手が目に入る。血液の中に手を突っ込んだみたいに、その手が真っ赤に染まっている。指の先から滴る血が、小さな玉となって、ポタ、ポタ、と床に斑点を作っている。
口元を血塗れにした俺と、手を血塗れにした五月女。体の一部を血に染め、付近をその血で汚しているこの場所は、まるで殺人未遂の現場のようだった。実際に俺は、大量の血を無理やり飲まされ、息ができなくなった。未遂だった。殺されかけた。五月女に。殺され、かけた。