『執愛婚』~クリーミー系ワンコな部下がアブナイ男に豹変しました


週明けの月曜日。
一日中璃子さんと外回りをして、十六時過ぎに帰社した、その時。

「悠真っ!!」

どこからともなく名前が呼ばれた。
既に陽が傾き、外灯がついてるエントランスから駆け寄って来る一人の女性。

「………あ」
「知り合い?」

隣りにいる璃子さんと視線が交わる。

「同級生」
「そうなんだ。ゆっくりして来ていいよ?先に行ってるね?」
「え、あっ……はい」

駆け寄った人物に会釈した璃子さんは、そのまま社屋の中へと消えた。

「今の人、綺麗な人だね」
「上司だよ」
「そうなんだぁ」
「お前、何しに来たの?」
「悠真に会いに来たに決まってるでしょ」
「会う約束してねーよ」
「約束してなくてもいいでしょ」
「相手の都合考えろよ。ってか、俺がこの会社いること、誰に聞いたんだよ」
美織(みおり)さん(俺の姉貴)」
「っ……」

姉貴の野郎っ、何で教えたんだよっ!!

「まだ仕事あるから」
「ご飯一緒に食べよう?」
「無理」
「えー何で?」
「彼女と食べる予定」
「じゃあ、三人で食べ「いい加減にしろっ!お前とはとっくに別れてんだよっ!俺の周りをうろつくなっ」

圭吾ですら、まだ璃子さんを紹介してないのに。
なんでコイツに璃子さん紹介しなきゃなんねーんだよ。
頭痛ぇ。
それもこれも、姉貴のせいだっつーのっ!

業務報告書を作成するためにデスクへと向かった。



「八神くん、まだかかりそう?」
「あ、いえっ、もう終わります」

十九時過ぎ。
部署の同僚はみんな退社していて、残っているのは俺と璃子さんだけ。

「食べて帰ります?」
「そうだね」

やったぁ、昼ランチに続き、夕飯デートゲット。
今日は何食べようかな。

< 66 / 126 >

この作品をシェア

pagetop