若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
 自分の勘違いからこんな騒動に発展してしまったことをカレンが謝罪し、ジョンズワートも「僕もきみを傷つけた」「伝えるべきことを伝えていなかった」と返すやり取りも幾度となく繰り返されたが……。
 何度目かもわからなくなった頃、ごめんなさいと言うカレンの唇を、ジョンズワートが塞いだ。
 確かに、謝罪は必要だ。お互いに。
 しかし、ジョンズワートが求めているのは、謝罪の応酬ではない。
 カレンとの……いや、ショーンも含めた三人での、家族としてのやり直しだ。
 謝罪をしたら、その場でキスして口をふさぐ。
 そんなことをしているうちに、カレンがごめんなさいと口にする回数は減っていった。
 ジョンズワートの勝ちである。
 

 サラがカレンを見つけるまで結婚しないと言っていることを知り、カレンが慌てたりもした。
 旅のあいだに、ショーンもジョンズワートに懐いた。
 呼び方は、ワートおじさんからワートさんへ。ショーン風に言うと「わとしゃ」である。
 お父さんや父上とまでは、いかなかった。
 ショーンにとっては最近知り合ったばかりの男だから、仕方がないだろう。これから、家族になっていけばいい。
 互いの気持ちを確認し合った二人には、これから先、たっぷりと時間があるのだから。
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