新そよ風に乗って ⑥ 〜憧憬〜
「何だ?」
高橋さんは、静かにまゆみに問い正した。
「もっと、陽子のことを考えてあげて欲しいです。もし、考えた末での行動だとするのなら……それは高橋さんのエゴですよ。高橋さん自身を中心にした考えだけだと思います」
「ちょ、ちょっと、まゆみ」
私が呼びかけても、まゆみには聞こえていないようだった。
「高橋さんが良かれと思ってやったことが、たった数日でこんなにボロボロになるまで苦しんで、悩ませて、悲しませて。こんな陽子に、誰がしたんですか? それに、元々この子があまり丈夫じゃないってことは、高橋さんも知ってるでしょう?」
「……」
「まゆみ。もうやめて!」
「自分だけが苦しいとか、辛いんじゃないんですよ。もし……自分中心の考えだけで陽子の気持ちを弄ぶんだとしたら、私は貴方を許さない!」
「……」
まゆみに酷い言われ方をしているのに、高橋さんは黙ったまま何も言おうとしない。
怒っているから?
それとも、呆れて言い返す気にもならないの?
「何故、黙っているんですか? 何かおっしゃりたいことや反論はないんですか?」
「特にない」
高橋さん……。
高橋さんは、腕を組みながらまゆみをジッと見つめていて、まゆみも高橋さんを睨みつけている。
『特にない』 って……高橋さん。
何故?
黙ったままお互いに視線を外さなかったが、先にまゆみが切り出した。
「そうですか。では、後、よろしくお願いします」
「分かった」
「まゆみ?」
「陽子。宴会に戻らなくちゃ。このまゆみ様が居ないと、盛り上がらないじゃない? ビンゴゲーム、陽子の分も当ててくるからさ」
まゆみ……。
にっこり笑ってピースサインを出して見せると、まゆみはドアの方に行ってしまった。
「あっ……」
高橋さんは、静かにまゆみに問い正した。
「もっと、陽子のことを考えてあげて欲しいです。もし、考えた末での行動だとするのなら……それは高橋さんのエゴですよ。高橋さん自身を中心にした考えだけだと思います」
「ちょ、ちょっと、まゆみ」
私が呼びかけても、まゆみには聞こえていないようだった。
「高橋さんが良かれと思ってやったことが、たった数日でこんなにボロボロになるまで苦しんで、悩ませて、悲しませて。こんな陽子に、誰がしたんですか? それに、元々この子があまり丈夫じゃないってことは、高橋さんも知ってるでしょう?」
「……」
「まゆみ。もうやめて!」
「自分だけが苦しいとか、辛いんじゃないんですよ。もし……自分中心の考えだけで陽子の気持ちを弄ぶんだとしたら、私は貴方を許さない!」
「……」
まゆみに酷い言われ方をしているのに、高橋さんは黙ったまま何も言おうとしない。
怒っているから?
それとも、呆れて言い返す気にもならないの?
「何故、黙っているんですか? 何かおっしゃりたいことや反論はないんですか?」
「特にない」
高橋さん……。
高橋さんは、腕を組みながらまゆみをジッと見つめていて、まゆみも高橋さんを睨みつけている。
『特にない』 って……高橋さん。
何故?
黙ったままお互いに視線を外さなかったが、先にまゆみが切り出した。
「そうですか。では、後、よろしくお願いします」
「分かった」
「まゆみ?」
「陽子。宴会に戻らなくちゃ。このまゆみ様が居ないと、盛り上がらないじゃない? ビンゴゲーム、陽子の分も当ててくるからさ」
まゆみ……。
にっこり笑ってピースサインを出して見せると、まゆみはドアの方に行ってしまった。
「あっ……」