新そよ風に乗って ⑥ 〜憧憬〜
「分かりました。直ぐに出られますか?」
「ああ。もう行く。矢島さん。歩けるか? あぁっと、無理そうだな」
「じゃあ、僕がエレベーター押して待ってますから。荷物貸して下さい」
中原さんは高橋さんから荷物を受け取ると、ドアを閉めて行ってしまった。
何だか、大事になってしまったみたいだ。
起き上がって立とうとしたところで、高橋さんがベッドの傍に来て少しだけ屈みながらいきなり私を抱っこした。
「キャッ……ちょ、ちょっと、高橋さん。1人で歩けますから降ろして下さい」
「おい。暴れるな。大人しくしてろ」
「恥ずかしいですよ。誰かに見られたりしたら……」
「別に構わない」
そんな……。
私の言うことなど全く意に介さず、高橋さんはドアを開けるとエレベーターホールへと向かった。エレベーターホールには中原さんが待っていてくれて、直ぐにエレベーターが来た。
「荷物、下に置きますね」
私を抱っこしたまま高橋さんがエレベーターに乗ると、中原さんが高橋さんと私の荷物をエレベーターの床に置いて後ろに下がってドアから少し離れた。
「迷惑を掛けたな」
「いえ、お大事にして下さい」
2人の会話に入ることが出来ずに中原さんを見ていると、中原さんはエレベーターのドアが閉まる瞬間、微笑みながら手を振ってくれていた。
中原さん……。
中原さんには、本当に申し訳ないことをしてしまった。休み明けに、ちゃんと謝らなくちゃ。それに、まゆみにも……。
誰も乗っていないエレベーターの中で、高橋さんと2人きりになって沈黙が続いて戸惑ってしまう。
「ああ。もう行く。矢島さん。歩けるか? あぁっと、無理そうだな」
「じゃあ、僕がエレベーター押して待ってますから。荷物貸して下さい」
中原さんは高橋さんから荷物を受け取ると、ドアを閉めて行ってしまった。
何だか、大事になってしまったみたいだ。
起き上がって立とうとしたところで、高橋さんがベッドの傍に来て少しだけ屈みながらいきなり私を抱っこした。
「キャッ……ちょ、ちょっと、高橋さん。1人で歩けますから降ろして下さい」
「おい。暴れるな。大人しくしてろ」
「恥ずかしいですよ。誰かに見られたりしたら……」
「別に構わない」
そんな……。
私の言うことなど全く意に介さず、高橋さんはドアを開けるとエレベーターホールへと向かった。エレベーターホールには中原さんが待っていてくれて、直ぐにエレベーターが来た。
「荷物、下に置きますね」
私を抱っこしたまま高橋さんがエレベーターに乗ると、中原さんが高橋さんと私の荷物をエレベーターの床に置いて後ろに下がってドアから少し離れた。
「迷惑を掛けたな」
「いえ、お大事にして下さい」
2人の会話に入ることが出来ずに中原さんを見ていると、中原さんはエレベーターのドアが閉まる瞬間、微笑みながら手を振ってくれていた。
中原さん……。
中原さんには、本当に申し訳ないことをしてしまった。休み明けに、ちゃんと謝らなくちゃ。それに、まゆみにも……。
誰も乗っていないエレベーターの中で、高橋さんと2人きりになって沈黙が続いて戸惑ってしまう。