新そよ風に乗って ⑥ 〜憧憬〜
明良さんは、看護師さんが忙しそうだったので自分で点滴の用意をして私の左腕に針を刺した。
「もし、点滴をしていて途中で痛くなったら言ってね」
「はい。ありがとうございます」
「貴博と、何かあった?」
エッ……。
「いや、何だか元気がないから。体調が悪いから、当たり前なんだろうけど。もしかして……その原因、貴博なんじゃない?」
「それは、その……」
「やっぱりかぁ。貴博の奴、しょうがないなぁ」
「あの、明良さん。高橋さんは、何も悪くないですから。私が、勝手に体調を崩しただけですから」
「陽子ちゃん……」
「すみません、明良さん」
思わずムキになって、否定してしまった。
「こんな可愛い子を泣かせて……」
そう言うと、明良さんは、近くに置いてあったティッシュで涙をそっと拭いてくれた。
「点滴が終わるまで、まだもう少し時間掛かるからゆっくり休んでて。貴博、呼んでくるね」
「あの……」
点滴の落ちる速度を確認して、処置室から出ていこうとした明良さんを引き留めた。
「明良さん。ありがとうございました。さっきのことは、高橋さんには内緒にしておいて下さいね」
「了解。早く元気になって、また一緒にみんなで出掛けよう」
明良さんはそう言うと、処置室から出ていった。
点滴が落ちる様子を見ながら、またみんなに迷惑を掛けてしまったことを悔やんでいた。
まゆみをはじめ、中原さんや明良さんにまで迷惑を掛けてしまった。そして、高橋さんにも……。
何かを考えていると、どうも心も体も制御が利かなくなってしまう。特に高橋さんとのこととなると、もう周りがよく見えなくなるくらいに。
自分のことで周りを振り回すなんて、子供じゃあるまいし最低じゃない。こんなことじゃ、いけないのに……。
「大丈夫か?」
「もし、点滴をしていて途中で痛くなったら言ってね」
「はい。ありがとうございます」
「貴博と、何かあった?」
エッ……。
「いや、何だか元気がないから。体調が悪いから、当たり前なんだろうけど。もしかして……その原因、貴博なんじゃない?」
「それは、その……」
「やっぱりかぁ。貴博の奴、しょうがないなぁ」
「あの、明良さん。高橋さんは、何も悪くないですから。私が、勝手に体調を崩しただけですから」
「陽子ちゃん……」
「すみません、明良さん」
思わずムキになって、否定してしまった。
「こんな可愛い子を泣かせて……」
そう言うと、明良さんは、近くに置いてあったティッシュで涙をそっと拭いてくれた。
「点滴が終わるまで、まだもう少し時間掛かるからゆっくり休んでて。貴博、呼んでくるね」
「あの……」
点滴の落ちる速度を確認して、処置室から出ていこうとした明良さんを引き留めた。
「明良さん。ありがとうございました。さっきのことは、高橋さんには内緒にしておいて下さいね」
「了解。早く元気になって、また一緒にみんなで出掛けよう」
明良さんはそう言うと、処置室から出ていった。
点滴が落ちる様子を見ながら、またみんなに迷惑を掛けてしまったことを悔やんでいた。
まゆみをはじめ、中原さんや明良さんにまで迷惑を掛けてしまった。そして、高橋さんにも……。
何かを考えていると、どうも心も体も制御が利かなくなってしまう。特に高橋さんとのこととなると、もう周りがよく見えなくなるくらいに。
自分のことで周りを振り回すなんて、子供じゃあるまいし最低じゃない。こんなことじゃ、いけないのに……。
「大丈夫か?」