新そよ風に乗って ⑥ 〜憧憬〜
どうしたんだろう?
ピンポーン。
うわっ!
携帯電話の画面を見ながらその世界に入り込んでいたため、いきなり鳴ったインターホンの音に驚いて、ベッドの上で飛び上がってしまった。
だ、誰?
時計を見ると、22時近い。
こんな時間に、いったい誰だろう?
出たくないな。
でも、部屋の電気が点いているので居留守を使うわけには……。
咄嗟にいろいろなことを考えながら、ベッドから静かに下りて玄関に向かってドアの覗き窓からそっと覗いてみた。
嘘……。
ドアの前には、高橋さんが立っている。
その姿を見て、思わずしゃがみこんで声を出しそうになってしまったのと同時に、自分でも分からないが涙が出そうになって、慌てて両手で口を押さえた。
口を押さえている両手が、震えている。
どうしよう……。
出る?
出ない?
高橋さん。
何で、家に来たんだろう?
出来ることならば、今は高橋さんに会いたくない。
自分で、何を言い出すかも分からないもの。
この不安定な気持ち。
でも、悪いことをしている訳ではないので、逃げるのも何かおかしい。
もしかして、高橋さんは土屋さんとのことを私に卑下されるために来たの?
まさか……ね。
そんなことすら、考えてしまっている。
取り敢えず、気持ちを落ち着ける意味でも玄関のドアから離れて、インターホンの受話器に触れた。
出る?
出ない?
どうする?
でも……やっぱり、出よう。
「はい」
「高橋だが」
「は、はい」
次の言葉が、出て来ない。
咄嗟に返事だけをして 『今、開けます』 と、続けて言えない自分がいた。
暫く沈黙が続いた後、高橋さんの声が受話器越しに聞こえた。
「開けてくれないか?」
エッ……。
ピンポーン。
うわっ!
携帯電話の画面を見ながらその世界に入り込んでいたため、いきなり鳴ったインターホンの音に驚いて、ベッドの上で飛び上がってしまった。
だ、誰?
時計を見ると、22時近い。
こんな時間に、いったい誰だろう?
出たくないな。
でも、部屋の電気が点いているので居留守を使うわけには……。
咄嗟にいろいろなことを考えながら、ベッドから静かに下りて玄関に向かってドアの覗き窓からそっと覗いてみた。
嘘……。
ドアの前には、高橋さんが立っている。
その姿を見て、思わずしゃがみこんで声を出しそうになってしまったのと同時に、自分でも分からないが涙が出そうになって、慌てて両手で口を押さえた。
口を押さえている両手が、震えている。
どうしよう……。
出る?
出ない?
高橋さん。
何で、家に来たんだろう?
出来ることならば、今は高橋さんに会いたくない。
自分で、何を言い出すかも分からないもの。
この不安定な気持ち。
でも、悪いことをしている訳ではないので、逃げるのも何かおかしい。
もしかして、高橋さんは土屋さんとのことを私に卑下されるために来たの?
まさか……ね。
そんなことすら、考えてしまっている。
取り敢えず、気持ちを落ち着ける意味でも玄関のドアから離れて、インターホンの受話器に触れた。
出る?
出ない?
どうする?
でも……やっぱり、出よう。
「はい」
「高橋だが」
「は、はい」
次の言葉が、出て来ない。
咄嗟に返事だけをして 『今、開けます』 と、続けて言えない自分がいた。
暫く沈黙が続いた後、高橋さんの声が受話器越しに聞こえた。
「開けてくれないか?」
エッ……。