新そよ風に乗って ⑥ 〜憧憬〜
言ってしまったからには、もう逃げられない。
いつも俯いてばかりで、進歩のなかった私。
でも自分の意思で自分の考えを、今の思いを高橋さんにぶつけたのだから。高橋さんは、きっと全力で私が飛び込んでも必ず受け止めてくれる人。だから、きっと私が素直な気持ちをぶつければ、ちゃんと応えてくれるはずだと……。
高橋さんは、私のTシャツの胸に付いているワンポイントにほんの一瞬だけ目を向けた後、直ぐ私に向き直った。
あっ……。
その瞳はとても優しくて、まるで微笑むように私を見ている。
高橋さん。
「そうか……」
エッ……。
私は、そんな応えを待っていたんじゃない。
高橋さんだけが納得してしまうような、そんな言葉を待っていたんじゃないのに。
「おやすみ」
そして、そのままドアは閉められてしまった。
高橋さん……。
閉ざされたドアは、まるで高橋さんが心を閉ざしてしまい、高橋さんと私との間に冷たい壁を作ってしまったようだった。
何で、あんなことを言ってしまったんだろう。
高橋さんに、いったい何を望んでいたの?
応えてくれないと分かっていて、何で聞いたりしたんだろう?
自問自答する夜が、また更けていった。
いつも俯いてばかりで、進歩のなかった私。
でも自分の意思で自分の考えを、今の思いを高橋さんにぶつけたのだから。高橋さんは、きっと全力で私が飛び込んでも必ず受け止めてくれる人。だから、きっと私が素直な気持ちをぶつければ、ちゃんと応えてくれるはずだと……。
高橋さんは、私のTシャツの胸に付いているワンポイントにほんの一瞬だけ目を向けた後、直ぐ私に向き直った。
あっ……。
その瞳はとても優しくて、まるで微笑むように私を見ている。
高橋さん。
「そうか……」
エッ……。
私は、そんな応えを待っていたんじゃない。
高橋さんだけが納得してしまうような、そんな言葉を待っていたんじゃないのに。
「おやすみ」
そして、そのままドアは閉められてしまった。
高橋さん……。
閉ざされたドアは、まるで高橋さんが心を閉ざしてしまい、高橋さんと私との間に冷たい壁を作ってしまったようだった。
何で、あんなことを言ってしまったんだろう。
高橋さんに、いったい何を望んでいたの?
応えてくれないと分かっていて、何で聞いたりしたんだろう?
自問自答する夜が、また更けていった。