新そよ風に乗って ⑥ 〜憧憬〜
座り込んでいた床に手を突き、悔しさと悲しさで涙を堪えきれなくなった 。
「もう、何もかも……分からない。 私……うっ……うっ……」
堪えていたものが、一気に堰を切って溢れ出した。
「矢島さん……」
「佐藤。 明日の幹事の仕事で、矢島さんは何があるんだ?」
「いえ、特にはないです。 チェックアウトの会計も、前もって宿泊代の支払いはもう全員分終わっているので、後は部屋ごとの個人精算ですから。朝食のバイキングも、ホテルの部屋のカードを見せればOKですし、なくす人も居ないと思います。なので、これといってやることは殆どないです」
「お聞きの通りですから、高橋さん。明後日から出張ですし、後はお任せしますので。 行くぞ、佐藤」
「中原さん。 話は、まだ……」
「いいから、来い!」
中原さんが、佐藤さんを無理矢理連れて部屋から出て行く足音が聞こえたが、顔をあげて挨拶することが出来なかった。
ごめんなさい、中原さん。
佐藤君も……。
高橋さんも、中原さんや佐藤さんに何も声を掛けなかったようだった。
2人が出ていった後も、床に伏せたまま起き上がる気力も高橋さんと向き合う元気も失って、そのままの体勢で泣き続けていた。
どれくらいの時間が経ったのか、分からない。
直ぐ近くでいろんな音がしていて気にはなったが、床に伏せたままずっと泣いていた。酔っていたせいもあってこの体勢が段々きつくなってきたので、静かに起き上がってベッドを背もたれにして横向きになりながら目を瞑ると、涙が頬を伝った。
そんな時、机の上に何かをのせる音がしてその音も気になったが、高橋さんの行動が気になっていたので起き上がって見ると、高橋さんは散乱していた缶やおつまみ等をトレーに集め、テーブルの上に置いていた。
何……そんなことをしていたの?
酔っているので気が大きくなっているのか、お礼も言う気にもなれずにその行動をぼんやり目で追っていると、高橋さんがこちらを向いたので目が合ってしまった。
そして、ベッドを背もたれにして寄り掛かるように座っている私の目の前に来て、視線を合わせるように高橋さんがしゃがんだ。
「もう、何もかも……分からない。 私……うっ……うっ……」
堪えていたものが、一気に堰を切って溢れ出した。
「矢島さん……」
「佐藤。 明日の幹事の仕事で、矢島さんは何があるんだ?」
「いえ、特にはないです。 チェックアウトの会計も、前もって宿泊代の支払いはもう全員分終わっているので、後は部屋ごとの個人精算ですから。朝食のバイキングも、ホテルの部屋のカードを見せればOKですし、なくす人も居ないと思います。なので、これといってやることは殆どないです」
「お聞きの通りですから、高橋さん。明後日から出張ですし、後はお任せしますので。 行くぞ、佐藤」
「中原さん。 話は、まだ……」
「いいから、来い!」
中原さんが、佐藤さんを無理矢理連れて部屋から出て行く足音が聞こえたが、顔をあげて挨拶することが出来なかった。
ごめんなさい、中原さん。
佐藤君も……。
高橋さんも、中原さんや佐藤さんに何も声を掛けなかったようだった。
2人が出ていった後も、床に伏せたまま起き上がる気力も高橋さんと向き合う元気も失って、そのままの体勢で泣き続けていた。
どれくらいの時間が経ったのか、分からない。
直ぐ近くでいろんな音がしていて気にはなったが、床に伏せたままずっと泣いていた。酔っていたせいもあってこの体勢が段々きつくなってきたので、静かに起き上がってベッドを背もたれにして横向きになりながら目を瞑ると、涙が頬を伝った。
そんな時、机の上に何かをのせる音がしてその音も気になったが、高橋さんの行動が気になっていたので起き上がって見ると、高橋さんは散乱していた缶やおつまみ等をトレーに集め、テーブルの上に置いていた。
何……そんなことをしていたの?
酔っているので気が大きくなっているのか、お礼も言う気にもなれずにその行動をぼんやり目で追っていると、高橋さんがこちらを向いたので目が合ってしまった。
そして、ベッドを背もたれにして寄り掛かるように座っている私の目の前に来て、視線を合わせるように高橋さんがしゃがんだ。