新そよ風に乗って ⑥ 〜憧憬〜
きっと、その場になってみないと分からないかもしれない。
「だとしたら、最初から言わない方がいいと思ったし、それ以前に土屋本人から他言無用と言われている以上、中途半端なことは俺には言えなかった」
そうなの?
口外出来ないから、何も言ってくれなかったの?
でも……じゃあ、どうして?
「じゃあ、どうして何時も行きつけのお店で、2人っきりで会ったりしていたんですか?」
酔っているからか、順序立てて上手く言葉が出て来ない。
支離滅裂になっている。
土屋さんから相談を受けていると聞いて、気持ちの整理が尚更出来なくなって、思いつきで訳の分からないことを言い出しているのが自分でも分かった。
「何で……何で今日も、2人っきりに土屋さんとはなれて……それに……どうして高橋さんのお臍に黒子があることまで……。もし相談だけだったら、そんな普通では分からないようなことまで、土屋さんは何で知ってるんですか?」
「黒子?」
ああ……。
全部ぶちまけてしまっている自分が醜いと思ったが、もうどうしようもなかった。
「お臍に黒子って、何だ?」
「えっ? そ、それは……」
高橋さん。
そこまで、私に言わせるの?
「第一、土屋と2人だけで会ったことは1度もないぞ」
嘘。
私、知ってる。
「嘘ですよ。 だって、階段のところで帰りに待っていないで、いつものお店で待っててくれって。高橋さんが、土屋さんに言ってたじゃないですか!」
「フッ……お前。 何処かで聞いてたんだ」
「誤魔化さないで下さい。 あの日、せっかく勇気を出して聞いたのに……。 それなのに、高橋さんは急ぐからって。 それは……その行きつけのお店に、土屋さんが……待っていたからですよね? だから、何も応えてくれないまま行ってしまったじゃないですか。 もし……もし、私のことを思ってくれていたなら、きちんと説明してくれても良かったんじゃないですか?」
あっ……。
だけど、さっき説明出来ないって高橋さんが言ってたんだった。
それを聞いた上で高橋さんに詰め寄っているのは、ただ単に我が儘なだけなんじゃ……。
でも、もう言ってしまったことを取り消す元気はない。
「だとしたら、最初から言わない方がいいと思ったし、それ以前に土屋本人から他言無用と言われている以上、中途半端なことは俺には言えなかった」
そうなの?
口外出来ないから、何も言ってくれなかったの?
でも……じゃあ、どうして?
「じゃあ、どうして何時も行きつけのお店で、2人っきりで会ったりしていたんですか?」
酔っているからか、順序立てて上手く言葉が出て来ない。
支離滅裂になっている。
土屋さんから相談を受けていると聞いて、気持ちの整理が尚更出来なくなって、思いつきで訳の分からないことを言い出しているのが自分でも分かった。
「何で……何で今日も、2人っきりに土屋さんとはなれて……それに……どうして高橋さんのお臍に黒子があることまで……。もし相談だけだったら、そんな普通では分からないようなことまで、土屋さんは何で知ってるんですか?」
「黒子?」
ああ……。
全部ぶちまけてしまっている自分が醜いと思ったが、もうどうしようもなかった。
「お臍に黒子って、何だ?」
「えっ? そ、それは……」
高橋さん。
そこまで、私に言わせるの?
「第一、土屋と2人だけで会ったことは1度もないぞ」
嘘。
私、知ってる。
「嘘ですよ。 だって、階段のところで帰りに待っていないで、いつものお店で待っててくれって。高橋さんが、土屋さんに言ってたじゃないですか!」
「フッ……お前。 何処かで聞いてたんだ」
「誤魔化さないで下さい。 あの日、せっかく勇気を出して聞いたのに……。 それなのに、高橋さんは急ぐからって。 それは……その行きつけのお店に、土屋さんが……待っていたからですよね? だから、何も応えてくれないまま行ってしまったじゃないですか。 もし……もし、私のことを思ってくれていたなら、きちんと説明してくれても良かったんじゃないですか?」
あっ……。
だけど、さっき説明出来ないって高橋さんが言ってたんだった。
それを聞いた上で高橋さんに詰め寄っているのは、ただ単に我が儘なだけなんじゃ……。
でも、もう言ってしまったことを取り消す元気はない。