新そよ風に乗って ⑥ 〜憧憬〜
「シビアな言い方をするけど、もし陽子が今、ハイブリッジにそのことを言ったら、きっと彼奴は2つ返事でそれを受け容れるはず。で、仕事上の付き合いは普通に出来るけど、2度と陽子には心を開かなくなると思う。楽な道を選ぶのは簡単だけど、その後はもっと辛い道が待っていると思う。近くに居るのに、もう2度と素の声は聞けない。聞かせて貰えない。その葛藤に耐えられるだけの、度胸があればいいけどさ」
「私……まゆみ」
「諦めるのは、簡単。それで、ハイブリッジがボロボロになっても平気だったら諦めればいい。でも、一時の迷いで決めたりしたら、失ったものは大きいからね。陽子が、ハイブリッジを見捨ててどうするの? あれだけ陽子の味方で居てくれるハイブリッジを、辛いからってあんたはあっさり捨てられるの? 昔の女に負けたことにもなるのよ? それでいいの? 悔しくないの? 本当に、自分からハイブリッジを失ってもいいの?」
私が……。
私が、高橋さんを失う?
「私が、高橋さんを……」
「そうよ。陽子が、ハイブリッジを捨てるの」
「捨てるなんて、そんな……」
私が、高橋さんを捨てるなんて考えられない。
「だって、そうじゃない。一緒に居るのが、辛いんでしょう? だから、もう一緒に居たくないんでしょう? それって、陽子から別れを切り出すのと一緒じゃない」
私から高橋さんに……そんなの嫌だ。
「そんなの……そんなの嫌」
「だったら目の前の辛さより、もっと先の自分を見据えて物事を考えて行動しなきゃ。そうしないと、1番大切なことを見失っちゃうわよ?」
「1番大切なこと?」
「そう。陽子が、何故ハイブリッジを好きになったかってこと」
まゆみ。
「私……まゆみ」
「諦めるのは、簡単。それで、ハイブリッジがボロボロになっても平気だったら諦めればいい。でも、一時の迷いで決めたりしたら、失ったものは大きいからね。陽子が、ハイブリッジを見捨ててどうするの? あれだけ陽子の味方で居てくれるハイブリッジを、辛いからってあんたはあっさり捨てられるの? 昔の女に負けたことにもなるのよ? それでいいの? 悔しくないの? 本当に、自分からハイブリッジを失ってもいいの?」
私が……。
私が、高橋さんを失う?
「私が、高橋さんを……」
「そうよ。陽子が、ハイブリッジを捨てるの」
「捨てるなんて、そんな……」
私が、高橋さんを捨てるなんて考えられない。
「だって、そうじゃない。一緒に居るのが、辛いんでしょう? だから、もう一緒に居たくないんでしょう? それって、陽子から別れを切り出すのと一緒じゃない」
私から高橋さんに……そんなの嫌だ。
「そんなの……そんなの嫌」
「だったら目の前の辛さより、もっと先の自分を見据えて物事を考えて行動しなきゃ。そうしないと、1番大切なことを見失っちゃうわよ?」
「1番大切なこと?」
「そう。陽子が、何故ハイブリッジを好きになったかってこと」
まゆみ。