麻衣ロード、そのイカレた軌跡⓽最終話/魂の交尾
ファーストレジェンド~また猛る季節まで/その10
真樹子


三田村さんは薄笑いを浮かべ、私の顔をなめ回すようにジロジロ見ながらさらに言ったわ

「あのさ、今後のこともあるから言っておくよ。仮にズベ連中の依頼通りあんたをハメるとしたって、何も誰かを使って暴力を振るうとか、手荒な手段は持ちえないから。それはよく覚えておいてちょうだい。私の用いる手法は、あくまで策によって相手を傷つけたりダメージを与えることになるよ。ターゲットの抱えた弱みや秘密事をネタにして、裏工作を仕掛ける。水面下から静かにね。私の武器とするものは、まあ情報よ」

情報…!

この当時の私にとってはこの言葉、何とも斬新な響きだったわ

これ以降、三田村峰子と私は定期的に連絡を取りあう仲となった


...


三田村さんと知り合ったことは、間違いなく大きなターニングポイントになったわ

何と言っても、男連中に入りこむ意識が違ってきた

私は砂垣さんとの関係を最重要に据え、やがて男達の勢力の中でも特殊な”地位”を得ていった

この頃、砂垣さんは星流会の会長から庇護を受けていたようで、ガキ世界では知る人ぞ知る存在に至っていて、凄い威勢を誇っていたわね

そうなると、その砂垣さんに”可愛がられていた”私のステータスはそれと比例するかのように、さらにランクアップしていったのが実感でわかったわ

そしてついに一線を超え、”彼”とは男女の関係になった

三田村さんには正直に言ったけど、割かし肯定的だったかな

もっとも、この人はそういった”類”には、意図的に無関心を装う傾向があったからさ

要は三田村さん的には、”そこの領域”は自己責任だからねって…

私としてはこんなシグナルで捉えていたわよ

...


だが、頭ではそうわかっていても、自分では気付かないうちに私はいい気になっていたようだ

そうなると、周囲からは反感と反発を買うのが常よね

で…、その時最も強い反感と反発を抱えていた”周囲”は、砂垣さんの取り巻きや近しい男たちだったのよ

無論、私への態度で”そういうこと”ははっきりと感じ取っていたが、私は強気だった

”フン、この私はうまく泳ぎまわれるから平気よ。何と言っても、砂垣さんとは特別の関係なんだもの”

こんな過信が私の中に住みついていたようで、然るべき人間からはなおさら図に乗っているように見えただろう

無論、砂垣さんにも”それ”は伝わっていたはずよ

だからテンばった段階までいったら、”彼”がさりげなく告げてくれるだろうと信じ切っていた

ところが彼はそんなに甘くなかったのよね

甘かったのはこの私だった

そのことは、後にたっぷりと味わうんだけどさあ...




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