麻衣ロード、そのイカレた軌跡⓽最終話/魂の交尾
ファーストレジェンド~また猛る季節まで/その19
真樹子



「マキも聞いてるだろうが、砂垣一派は紅丸有紀が渡米したと同時に南玉への本格的な攻撃を仕掛ける。おそらく6月中旬だろうね。その際、反南玉の立ち位置にいる複数のフリー、少数グループの寄せ集めで編成し、あんたを前面に立てるだろう」

確かに時期的な部分は明確にされてはいないが、概ね私は砂垣さんからそう聞かされていたよ

「…この時点では、紅組には新体制ができているはずだ。トップは嵯峨ミキで間違いない。そうなれば、片桐ジュンら創立4人組の幹部連中は反主流派となって、嵯峨とは不協和音が生じるのは確実だ。場合によっては何人かが離脱、若しくは分裂も考えられる」

この見立ても私とほぼ同じだった

...


「…無論、新体制のリーダーとなる嵯峨だけでなく、その嵯峨に後継を禅譲した紅丸も日本を発つ前に、その予防措置を図るわね、それは必ず…。いや、もう水面下では動いてるよ。具体的にはさ、本来4月の代継ぎが延びている、南玉の新体制発足を誘導してるってことだ。南玉サイドの窓口は現総長補佐の相川で、総長の刃根とは盟友だし、2年の総長補佐控えである矢吹鷹美も取り込んで南玉内の調整を進めてるわね」

「三田村さん、現執行部の3人は守旧派で、新総長に赤い狂犬こと合田荒子を推す急進派とは対立しているのは周知の事実です。となれば、刃根や相川らは矢吹を後継総長に持っていこうと画策してるんですかね?」

「いや、現時点での私の分析結果では、現執行部も合田総長での新体制を描いてるわね」

「じゃあ、南玉内の後継体制を巡る対立は守旧派がイケイケ路線の急進派に屈するってことですか?」

「いや違う。そうじゃないんだよ、マキ…」

そう言って首を横に大きく振った三田村さんは、私の顔に”なぜ?”と書いてあるのがわかったらしく、更に解説してくれたわよ



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