麻衣ロード、そのイカレた軌跡⓽最終話/魂の交尾
ファーストレジェンド~また猛る季節まで/その20
真樹子



「…まず、南玉連合の合田次期総長体制はさ、紅丸と嵯峨も同意してるんだ。なら、どうして通年通り、4月に体制交代をしなかったのか…。それはこの都県境では、あまりに合田体制熱望論が高まっていたんでさ、あの狂犬娘が総長に就いたあと、過度なイケイケ路線をセーブ出来得る新体制の環境作りを模索していたんだよ」

「では、刃根や相川が紅丸らと描いた合田新体制ってのは、具体的にどんなものなんです?」

「うん。ズバリ、狂犬娘とはライバル関係の矢吹を総長補佐に当て、守旧派執行部の秘蔵っ子とも言える現補佐控えが総長の荒子を支える態勢だよ。要するに、刃根・相川の現ツートップは、紅丸と綿密に相談しながら、南玉全体でそれを受け入れられる空気が醸成されるのを待っていたって訳だ」

なるほど、そういうカラクリってことね…

「そして、排赤を掲げる砂垣一派がアクションを起こしたタイミングを逆利用して、派閥対立の構図が深くなっていた南玉連合に危機感を浸透させた。でさ、そこで紅丸脱退が決まっていた紅組が反俳赤を表明した。おそらく、今の南玉内部は紅組との反排赤協調路線でまとまる方向に進んでるだろうね」

うーん…、要するに、紅丸は自らが身を引いた後の都県境には、万全の手を打っていたのか…

...


砂垣一派の紅丸脱退後をにらんだ再編への初動を逆手にとった戦略で、南玉現執行部の二人を誘導して…

ふう‥、そうなると、私でもその先がおぼろげながら見えてくるわ

「ヒヒ…、どうやらマキ、南玉次期執行部の方向性がわかったようだね。それこそ、紅丸が自分がいなくなった後の、都県境に望む姿だよ」

「つまり、今の危機感で南玉を一致団結させることを言わばカモフラージュさせて、守旧派のツートップ、刃根と相川は荒子体制を承認する見返りとして、イケイケ路線を極めて穏健モードで推進させる同意を急進派からとる…。その骨格こそ、合田・矢吹次期ツートップ体制のベストアレンジでなし得ると…」

「おお、その通り!」

いやあ、まさに怪物・紅子、恐るべしだわ…



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