麻衣ロード、そのイカレた軌跡⓽最終話/魂の交尾
ファーストレジェンド~また猛る季節まで/その22
真樹子


この日の三田村さんは多弁だった

「…マキ、はっきり言わせてもらうよ。もし、今言ったのシュミレーションを迎えたとしたら、アンタは”奴ら”からしたら実に好都合な操り人形ってことになる。おそらく、その後だって引き続きマキをフロントに押し出すさ。でも、結局は時機を見て切られる。捨てられる。ポイ捨てだって、アンタは所詮」

三田村さんは旺盛な食欲を忘れたかのように、ずっとハシを手にせず、これでもかってくらい私に”らしくない言葉”を浴びせ続けてた

いや‥、実際には違った

私は、血の通った言葉を送ってもらっていたのよ、この人に…

「ねえ、マキ…。黒原未亡人もさ、これと同じようなことはアンタは言ってるんじゃないのかい?」

「ええ、まあ…、すいません。私のこと、そこまで気を遣ってくれて…」

私、何ともか細い声だったわ


...


「マキ…」

「先輩、もし私が砂垣さんに拒否の姿勢を出せたとして、それで都県境の再編闘争はどう展開するんでしょうかね…」

これは、純粋に私が聞きたいことだったんだよね

「…そうなれば、アンタの代わりに誰かを据える。それだけのことだよ、結局は」

そうなるか、やっぱり…

好都合な女、使い捨てか…

ハハ…(涙目!)

たった今、ここで三田村さんの口から出た言葉の響きが再度、脳裏に突き刺さったわ

この時のどっぷりなブルー気分…

なんともやるせなかったわね…


...


「先輩、よく考えますから。もう少しよく…。それでしっかり結論を出すつもりです」

「ああ、頑張れ。だが、時間は限られてる。これを忘れちゃいけないよ、マキ。なにしろ私達はさ、選民意識に浸っている南玉・紅組らにいつか一泡吹かせてやれって、そう気張ってきた訳じゃん。今回の再編局面は、そこんとこの気概にブレが生じれば、それで私らは連中と戦う前に敗者ってことになるんだよ」

この一節は私の胸にずしんと届いたわよ

要は結論など、すでに出てる

後は私の踏ん切りだけだった

この日、私は自分にそう言い聞かせた

しっかりと…





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