麻衣ロード、そのイカレた軌跡⓽最終話/魂の交尾
ファーストレジェンド~また猛る季節まで/その26
真樹子


麻衣さんのアクションは極めて過激でデンジャラスだったわ

そりゃあ、やることはめちゃくちゃでやりすぎってことはあった

祥子や片桐さんらは、麻衣さんがあまりにぶっ飛んだ方針を打ち出すんで、そのたび異論を唱えてたわね

まあ、彼女たちの感覚の方が正常だと私も思ってたわ、正直なところはね

でも、私は麻衣さんと歩調を合わせ、一心同体となって迷うことなくコトに当たった

周りから見たら、麻衣さんに盲目で追随してると反感も買っていたでしょうね

その自覚を持ちながらも、私はひたすら麻衣さんを先頭に立って支えたかったのよ

麻衣さんの突き進む道の先‥、それは三田村さんや私たちが求める風景であることを信じて疑わなかったから

そう言うことだったわ、要はさ

それはもう止まることはできなかった…

...


麻衣さんの巧みな裏工作・トラップ、そして妥協なき怒涛のような猛進撃によって、再編闘争の流れは既存勢力打倒への流れに乗ったわ

ふふ…、麻衣さんの打つ手は次々と功を奏し、こっちの狙い通りの展開をもたらしてね

それこそ面白いように

紅丸が日本を離れる前に誘導した、一枚岩だったはずの南玉は麻衣さんの放った矢によって、根深く内包していた自己矛盾をさらけ出して分裂、崩壊寸前にまで陥った

そうよ、その気ならここでトドメはさせてわ

でも、我らのリーダー麻衣さんはそれをしなかった

無論、私には麻衣さんの本心はわかっている

だけどね…、私は南玉を完全に叩き潰し、その上で都県境に”新たな形”を麻衣さんの手で作りだして欲しかったわよ

それができるところまで成し遂げたのというのに、雌雄を決する最終の舞台で麻衣さんは横田と死闘を演じ、決着つかずで終わったのよね

まあ、引き分けってことになったが、トータルでは”こっち”が勝者なのは明確よ‼

だからこそ、麻衣さんにはせめて南玉連合には戻ってもらいたくなかった

彼女が今南玉に入ったら、それこそ一兵卒でしかも周りは敵だらけだって!

連中は恨み骨髄で麻衣さんを迎えるのよ

まあ、祥子とドッグスも一緒に復帰するから孤立無援は避けられたけど、それでもね…

ふう‥、ため息出るわ

そんな麻衣さんのこれからを想像すると…


...


「…三田村さん、私は悔しくてしょうがないですよ!ここまで連中を追い込めたのに…。そりゃあ、それを成し遂げたのは麻衣さんの功績ですから、彼女の考えには従いますが…」

「マキ‥、冷静に考えて今回の結果ねえ…、都県境で猛るすべての女たちにとっては最良だったんじゃないかって思えるんだよね、私はさあ…」

はあ…、最良だって?

何言ってるんだ、この人は~~‼

「…麻衣さんが南玉でこれから針のむしろなんですよ!他の人間はともかく、あの人がいたからこそ、あなたが今言った最良の結果なんでしょ?なら、少なくとも麻衣さんだけは最良の結果ではありませんって!発言、訂正してくださいよ‼」

私はいきり立っちゃって、思わず口角泡を飛ばしてたわ

「いや、麻衣にとってもだよ。だから今の発言、訂正はしない」

「三田村さん!麻衣さんに恨みを持つ南玉に戻ることのどこが最良なんですよ、その理由を聞かせてもらいます!!」

ムキになってる私を煙に巻くかのように、アンコウめ、咥えたタバコに火をつけて涼しい顔だわ

全く…

さあ、理由よ!




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