麻衣ロード、そのイカレた軌跡⓽最終話/魂の交尾
迷宮へ…/その2
麻衣


今日の場は私を含めて4人だ

その”会場”は、高津先輩の自宅敷地に離れとして建っている倉庫だ

南玉の会議はこれまで、いつもOG代表の甲斐由美子先輩ご夫婦が所有していたビルの一室を借りて、大々的に開催されていた

しかし、その甲斐先輩は南玉のOGから外され、その後メンバーも激減したこともあって、失礼ながらこの狭いスペースでも幹部会は開けちゃう…

何とも寂しい気がするが、そうさせた張本人が私だということを肝に命じなければいけない

でも、不思議と悲壮感はないよ

無論、大所帯に膨れ内部対立を抱えていた南玉のぜい肉が削られたとまでは言わないが、ビルドアップ・脱皮…、変化を求められていた局面で進化を遂げる一過程に踏み出したって本質はあると思うんだ

その新生南玉連合が、新たな都県境フレームの核とならければならない…

私はその末席でやっていく

まあ、猫をかぶっておとなしくしてるつもりはないが…

...


「うん…。今言ったように南玉連合は今後、広く門戸を開き、メンバー増強を図る。その場合、お前の立ちあげたレディーキャビネットとは、どうしてもバッティングするだろう。こちらとしてはその想定のもと、キャビネット側とは事前に一定のルール作りというか、共通認識を持っておきたいんだ。友好関係を前提として…。そこで、キャビネットサイドの主導者の立場につくであろう岩本真樹子とは、近く話し合いの場を持つことになった」

そうか…!

真樹子さんと総長が都県境の新たなフレーム作りに向けて、友好関係を前提に会談か…

ヘへ…、なんか、ガラにもなくちょっとはジーンときちゃったかな(苦笑)

何しろ今までが今までだったから…、はは…

...


「おそらくは、そこそこのところで合意点を見出せるだろうが、以後、何らかの折衝ごととなった際には、お前に岩本との窓口になってもらいたいんだ。何といっても、お二人は自他ともに認める名コンビだからな、ハハハ…」

「荒子、違うって。名策略家コンビだって(笑)」

「ハハハ…」(全員)

おお、恵川先輩、分かってるじゃん

うーん、でもさ…

いきなり真樹子さんとの接触が許されるのか‥

私はとりあえず、「はい、わかりました」とだけ答えたけどね

”私に真樹子さんを会わせて本当にいいんですか?”なんて野暮なこと聞けないって

荒子総長はそんな次元、省略してのことなのだろうから

もう、私が”悪さ”をしでかすことなど念頭になしってね

まあ、ここはこれでいい


...


とにかく、これだけは言えてる

今までしでかしてきた”悪さ”など、既に卒業したとね

というか、私としては不要となった

これからは、”それよか”ってことになるんだ

おそらく、岩本・本郷ラインは表舞台から消える

そこには、新たな表の顔が”繋ぎの顔”という役割で登場するよ

たぶん、その一角は北田久美が担うんじゃないかな…





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